建設現場で用いられるクサビ式足場について

最終更新日 2024年2月26日 by sangaku

クサビ式足場とは、ビルの建設工事現場などで良く見られる、現場作業員がその上に立って作業をするために組み上げられた足場のうち、クサビがその組み立て方の大きな特徴になっているものを指します。
大きなビルになればなるほど、作業のために必要な足場の大きさも膨大なものになります。

 

短期間で速やかに組み上げ、解体できる必要がある

ですが、ビルそのものの建設には相当な時間がかかり、数か月単位でだんだんと建設されていくのに対し、足場の組み上げに長時間を要しているのはあまり見たことがないでしょう。
これはある意味で当然と言えば当然のことであり、足場は建設したいビルそのものではなくて単にそのための補助資材といった存在に過ぎませんから、組み上げにあまりに長時間を要したりするのはコストの面からも割に合うものではなく、短期間で速やかに組み上げ、また必要なくなった際には速やかに解体できることが求められます。
解体といっても古くなったビルを重機で壊して解体し、コンクリートや鉄骨などは産業廃棄物となるのとは異なり、また次のビルの建設現場で足場として組み上げられるようにすることがコスト面からも望ましいのは言うまでもありません。
このような要求事項を満たすものがまさにクサビ式足場だということができます。

 

クサビ式足場の特徴

足場全体としてみた場合、組み上げに必要な資材にはいろいろなものがありますが、それらが全てクサビで接合できるようになっており、現場で速やかに組み上げることができるようになっていますし、解体についても同様のことが言えます。
ここで言うクサビとは具体的にどのようなものかと言えば、各資材に設けられた凸状の出っ張りと、それを接合させるために輪のようになった部分です。
ある資材の凸状出っ張り部分を隣の資材の輪の部分にはめ込んで接合させることで、子供のおもちゃのブロックのようにしっかりと組み上げることができるようになっています。
接合部分は上下方向となっているため、一旦はめ込むと、凸部分に下から大きな力がかかるようなことでもない限り簡単には外れてしまうようなことがありません。
また、凸部分は円錐状にゆるやかな傾斜が設けられており、それを輪の部分にしっかりとはめ込むことで、ガタツキや緩みが生じることがないようにも工夫されています。
もちろん、しっかりとはめ込むためには人の手で直接ということは難しいのですが、適当なハンマーが一本あれば現場でも組み上げや解体の作業ができるようになっています。

 

クサビ式足場の構成資材

さて、では具体的にkrhのクサビ式足場というのはどのような資材から構成されているのでしょうか。
これは、どんなビルであってもある程度は対応できるくらいには規格化された資材が用いられています。
一方で、一口に足場といっても踏み板部分もあれば柱部分もあるというように、それぞれに性質の異なる資材が必要なことも明らかです。
もちろん最も重要な構成要素は踏み板でしょう。
作業員がその上に乗って作業をするための板状部分で、まさに足場という用語の元となった足を置く場所のことです。
サイズとしては、基本は幅が40cmで、長さは90cm、120cm、150cm、180cmのいずれかであることが普通です。
幅40cmと言えば、一人が歩くにはまず十分ではあっても、大人2人がそのまますれ違うようなことはちょっと困難で、お互いに体を横にしなければすれ違えないくらいでしょう。
これくらいの狭い幅の足場で、目もくらむような高所で作業をしているのですから、いくらプロとは言え大したものということができます。

 

高さを確保するための支柱が必要

足場で最も目が行くのは踏み板かもしれませんが、高所まで組み上げる以上は踏み板だけでは話になりません。
高さを確保するための支柱が必要です。
というか、支柱がまず設置されて、その支柱に対して接続していく形で踏み板が設置されると考えたほうが間違いがありません。
支柱と踏み板があれば足場の相当程度はできあがると言えますが、もちろんまだまだ完成ではありません。
いくら高所作業のプロとはいえ、建物の2階やそれ以上の高さにおいて、踏み板の上だけで作業をすることはさすがに危険すぎます。
手摺りが必要でしょう。
これは踏み板と並行に、同じく支柱に対して接続していく形で設置されます。
踏み板から90cm程度の高さのところに渡されるのが普通ですが、転落事故の危険性を防止するためにもう1本、45cm程度の高さのところにも渡されることがあります。
一般的には踏み板は複数階層にわたって設けられるわけですが、階層間の移動手段ももちろん必要です。
ビルは建設途中なのですから、ビル本来の階段が常に使えるとは限りません。
そのため、足場には独自の階段が適宜設けられます。

 

まとめ

踏み板の一部分を階段とするわけですが、そのために通路の幅はさらに狭くなってしまうことは致し方ありません。
この他にも足場全体の強度を確保するために斜めに筋交い状に支柱が立てられることもあり、このように様々な資材を用いてクサビ式足場が構成されているのです。